煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

エキゾチックな香りと辛さにハマる黒天カレー|煩悩を断ぜずして咖喱を得るなり #13

カレーというと「夏」の印象が強いですが、じつは寒い冬にこそ食べたい料理だったりします。

 

なぜならカレーに含まれるスパイスが身体を内側から温めてくれるから。とくにインドやスリランカといった南アジアで作られるカレーは「食べる漢方薬」とも呼ばれるほど、健康効果の高いスパイスがたくさん使われています。

 

なかでも「甘い香りと痺れるような刺激」が特徴のクローブは、漢方の生薬として冷えによる腹痛や消化不良などに処方されるそう。今回はそんなクローブをふんだんに使った、温活にもぴったりな『宇宙咖喱』の黒天カレーをご紹介します。

 

個性派スパイスカレーが7種類!

『宇宙咖喱』と書いて「コスモカレー」と読ませるこちらのお店。じつは以前ご紹介した多国籍カフェ『esnica』が、夜限定ではじめたカレー専門店なのでした。

 

鶏だしとソースが深いコクを生む『esnica』の特製キーマカレー。

 

カリフラワーとすりごまをベースにしたマイルドカレー「彗星」や、エキゾチックな香りがクセになるポークカレー「黒天」、魚介系レッドスープカレー「超新星」など、個性派ぞろいのスパイスカレーが全7種。オープンから3ヶ月経った今では、週2、週3で通うヘビーユーザーが続出するなど、名店の予感をひしひしと感じさせています。

 

カフェの営業が終了してから30分後の19:00に店は開く。

 

パティシエ手作りのスイーツが食べられるのもポイント。

 

ジャンルや国籍などの概念は一切存在しない、オリジナルのスパイスを駆使した創作カレーを提供したいとはじめた夜の部。

 

店主・金崎一樹さんの才覚と努力によるカレーの進化は著しく、よくぞこの短期間で完成度の高いスパイスカレーを”7つ”も作り上げたものだと感心させられます。

 

金崎さんのスパイスへの想いは強く、今後は独自に調合したオリジナルスパイスの販売も目論んでいるそう。

 

そのなかでも筆者が推したいのが「黒天」。鈍器で殴られたようなずっしりとくる辛さと、エキゾチックな香りと味わい。このギャップに一撃でやられた人は数知れず、お店でも一二を争う人気の品となっているようです。

 

いよいよ黒天カレーを実食!

黒天(ドリンク付き)1,540円

 

ダークマター(暗黒物質)とはいかないまでも、それなりの黒さを発揮しているこのカレー。ベースとなるのはインドのゴア地方に伝わるポークビンダルー。ワインビネガーの酸味とスパイスの辛みを効かせたポークカレーであります。

 

このポークビンダルーを独自にアレンジしたのが「黒天」。黒さの秘密は大量に使われるクローブとブラックペッパー。唐辛子の刺激的な辛さとはひと味違った、芯からこみあげる辛さもこのふたつが由来となっています。

 

クローブに関してはそのエキゾチックな香味も印象的で、梅酒やスパイスに漬け込んだ豚肉の酸味とコク、じっくり炒めた玉ねぎの甘みなど、さまざまな味覚が一体となったバランス型のカレーとなっています。

 

ライスは五穀米。それだけで酒のつまみになりそうなスパイス味玉も美味。

混ぜれば混ぜるほど美味い!

食べ方の基本はスリランカ式。甘味、酸味、塩味、辛味、旨味といった、それぞれの個性を持つアチャール(副菜)をカレーに混ぜ合わせることで、プレート全体の味わいに奥深さが生まれます。咀嚼中に口の中で味が変化していく様子は『宇宙咖喱』のカレーの最たる特徴といえるかもしれません。

 

ちなみに辛党の人に対しては、自家製のサンバルで辛さを調整してくれるので、遠慮なくリクエストすることをおすすめします。

 

食べ終わった頃にはスパイス効果で身体がぽかぽか。じわじわと汗ばむほどに、しっかりと芯から温まりました。

 

アチャールは季節によってバリエーションが豊富。

 

特製のラベンダービネガーでさらに味変!

 

セットドリンクはクラフトコーラを注文。カラメルの代わりに俵屋のじろ飴を使っているためか、独特のコク旨さを感じる。

 

ちなみにガッツリいきたいときは+300円〜で日替わりカレーをトッピングしてくれる「あいがけ」もおすすめ。このあいがけカレーはinstagramでリクエストを受け付けていたりもします。

 

まさに宇宙のように奥が深い個性派カレー。金沢のスパイスカレー界に旋風を巻き起こす『宇宙咖喱』に、今後とも注目です。

 

 

宇宙咖喱
コスモカレー
石川県金沢市元菊町17−53
TEL.076-256-5848
営業時間/19:00〜
定休日/月曜、日曜日
席数/カウンター6席、テーブル8席
駐車場/5台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

 

(取材・文/ヨシヲカダイスケ、撮影/林 賢一郎)

RECOMMEND ARTICLEおすすめの記事

WHAT’S NEW新着記事