煩悩バンザイ!石川県がもっと
楽しくなるウェブマガジン「ボンノ」

味は一流、値段は三流!小松市の半額ラーメンが想像以上に美味かった。

毎年、街中で雪つりの作業を見ていると、ふと思うことがあります。

 

「あぁ、ラーメン食べたい…」

 

縄が張られた木々を見ていると、無性にラーメンを啜りたくなるのは何故なのか。ここ数日で朝晩グッと冷え込んだこともあって、その思いは増すばかりです。

 

しかしながら、昨年から外食控えをしていたこともあって「推し麺」のリストが更新されていない状態。ここらで新しいお店を開拓しようとネットサーフィンをしていると、こんなお店を見つけました。

 

「いつでも半額、ラーメン若」

 

これはスルーするわけにはいかないでしょう。

 

ラーメン若

激戦区で勝ち抜くために。

金沢市と小松市をつなぐ国道305号線沿い、木場潟公園の近くにお目当ての『ラーメン若』はありました。このあたりは県内有数のラーメン激戦区。有名チェーン店から昭和創業の老舗まで、20軒以上のラーメン屋がしのぎを削っています。

 

店内はカウンターとテーブル席が分けられたシンプルな構成。ラーメン店特有の殺伐とした雰囲気はなく、清潔感があるので家族連れでも訪れやすい印象です。

 

 

驚いたのはメニューの豊富さ。醤油、塩、味噌などの定番系から期間限定メニューまで、その数は15種類ほど。辛みそや魚介とんこつなどの凝ったメニュもあります。

 

そして金額!

 

「本当本気に半額なのか?なにかカラクリがあるのでは?」とちょっと不安でしたが、定番系は365円(税抜)、そのほかも軒並み500円以下と期間限定ラーメン以外は正真正銘の半額。この値段になって一年ほど経つそうなので採算は取れているんだろうけど、こっちが心配になるくらい安いです。

 

少年時代から大のラーメン好きだったという店主の青木和成さん。高校卒業後に地元の鉄工所に就職するもラーメンへの思いは断ち切れず、数ヶ月後に人気チェーン店へ転職。入社後はメキメキと頭角を表し、21歳という”若”さで独立を果たした(実際の営業中はマスクを着用しています)。

 

味は一流、値段は三流!

筆者が注文したのは一日限定20杯という「魚介醤油とんこつ」。青木さんいわく「ガツン!とインパクトのある味を目指した」そうで、お店でも一二を争う人気なのだとか。

 

それでは「実食」。まずは鶏ガラと豚骨を炊いたスープからいただきます。

 

魚介醤油とんこつラーメン 465円(税抜)

 

…うまっ!

 

こってりだけどクドくないというか、魚粉の香りも新鮮でこだわりを感じます。あとから聞いた話だと「鶏ガラと豚骨を丁寧に血抜きして、臭みが出ないようこまめにあく取りをしながら、強火で短時間で仕上げている」とのことで、これがパンチがありながらもフレッシュな印象を与えているのではないかと。

 

しかも面白いことに、香味油にはエクストラバージンオリーブオイルを使用しているそうで。動物性の鶏油などと比べると香ばしさという点でやや劣るかもしれませんが、そのぶんシンプルに麺やスープの味を楽しめた気がします。健康にも良いですからね!

 

レモンを絞ったり魚粉をかけたり、味変をしながら食べるのがおすすめ。

 

そして、麺。

 

地元の製麺所に特注しているという、もちもち食感の中太麺がスープを絡みとってこれまた格別。濃いめに味付けした刻みチャーシューとの相性も抜群です。

 

味玉はサービスで付けてくれたのかな?と思いきや、デフォルトでのトッピング。これでワンコインってヤバすぎませんかね…。

 

こちらはアッサリ派から根強い人気を誇る、塩ラーメン(365円・税抜)。

周年の感謝の想いが今なお続く。

ここで気になるのが値段の秘密。「食材はなるべく国産で新鮮なものを」などこだわりを持ちながら、どうして半額でラーメンを提供し続けられるのか。お仕事中の青木さんに聞いてみました。

この値段で本当に大丈夫なんですか?

青木さん

う〜ん、正直キツいっす(笑)。でも、自分が作ったラーメンを多くの人に食べてもらえるのはモチベーションにもつながるので、薄利多売でなんとか踏ん張っていますね。

なぜ半額でやろうと思ったんですか?

ここのお店をオープンした一年後に、周年記念として「半額祭り」をやったんですよ。そしたらすごく好評で。お客さんの数も3倍くらい増えて利益も出たので、もうちょっと続けてみようとかなと。

食材にもこだわっているそうですし、結構大変じゃないんですか?

原価を抑えてラーメンのクオリティを下げることはしたくなかったので、それ以外のところで試行錯誤はしました。

といいますと?

大家さんと交渉して家賃を下げてもらったり、仕入れの工夫や食材の有効活用でロスを減らしたり。あとはもともと妻とスタッフ数名の少数精鋭で切り盛りしていたので、人件費を抑えることができたのも大きかったかもしれません。

ランニングコストを抑えることで、ラーメンの味を保ったまま半額の値段で提供する。コロナ禍で客足が絶好調とはいかない中、本当に頭が下がります。

 

こだわりの低加水麺がスープの旨味を引き立てる。

 

今回は食べることができなかったけど、期間限定メニューも気になるところ。「ボンゴレ風ラーメン」「しょうがラーメン」「シーフードシチューラーメン」など、これまでのラインナップに興味津々。ちなみに今月は「ごま豆乳坦々麺(880円・税抜)」だそうで。坦々麺好きの筆者としては、今月中にかならずや再訪したいと思っています!

 

 

ラーメン若
石川県小松市今江町5-373-1
TEL.0761-22-6776
営業時間/11:00~14:00、17:30〜21:00(スープがなくなり次第終了)
定休日/水曜日(火曜日は昼のみ営業)
席数/カウンター6席、テーブル18席
駐車場/13台
※こちらの情報は取材時点のものです。

 

撮影/林 賢一郎

WHAT’S NEW新着記事