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【NATURAL LIFE】「自然保護」を考えてみる。#02

「自然保護」。

この言葉の持つ意味に、近頃わたしは少し違和感を感じている。

なぜなら、自然保護という言葉には、保護する強者と保護される弱者が含まれている。

 

人が、自然を保護するという。いつからだろう。

いつから人は強者になったのか、いつから自然を弱者にしてしまったのか。

 

アイヌやインディアンたちは、悠久の歴史のなかで自然を神と悟り、四季の振る舞いを敬い護り続けてきた。神の前で彼らは畏怖し尊敬し従属を誓う。やがて彼らは神に許されるとその側に寄り添い「護る」を生きる営みにしてきた。おそらく我々の祖先もアイヌやインディアンたちのような暮らしをしてきたはずだ。

 

私は思う。自然ほど強く、偉大で、そして優しく、温もりを与えてくれる、無償で何も語らず我々に恩恵を与えてくれる存在がほかにあるだろうか。

 

人は求める。必要以上に求め、自然へ与えることはしない。

人はいつだって強者の立場だ。私もそうだ。保全活動とは保護して安全であるようにする活動をしている。とはいえ、強者と思っているわけではない。いつだって私は自然の前ではちっぽけだ。

 

では、何が適切なことばなのか?ということを言いたいわけではない。個人個人が環境の意識を持ち、そのうえで選択する。そんな風になっていくことを私は望んでいる。今こそ私たちは傲慢と思い上がりを捨て、自然にひれ伏し許しを乞うときなのではないだろうか。

 

※こちらの記事は、2017年4月末発行の『BonNo』vol.69に掲載されたものです。

 

 

◯自然と人の共生を考える【NATURAL LIFE】

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執筆者プロフィール

加藤麻美(Rootive 代表)
森と生きるために木を利用し、地球に暮らす人に安心と癒しを提供する『Rootive(ルーティヴ)』代表。里山の保全活動や里山の資源を使ったイベント運営など、多彩な活動を展開。自然が大好きで、特に山をこよなく愛している。

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