【NATURAL LIFE】ひとりだからできること。#05
今の世の中にはたくさんのイベントがある。
町おこしや、集落再生。仕事柄こうした「おこし」に絡んでいる。よって町の人たちの話を結構聞いてきた。
どこもそれぞれの事情があるので一概にはいえないが、根本的な「今のままじゃだめなの?」いう疑問 がたまに出てくる。買物に行けて、車の運転ができる。宅急便もくる。そんな日々の暮らしができても「限界」なのだろうか?
町民達の温度差もすごい。
一方は「交流人口を増やさなければならない」「移住してもらいたい」。はたまた一方は「人はあまり来てほしくない」「観光地になったら困る」「今のままで十分満足」「集まりが苦手」。こんな風に。
話を聞いていると前者の方達は必ずといっていいほど「外に出た人」、もしくは元地元で外に出ている人。町にずっといる人は町の変化を見てきているし、何か感じているんだろう。
イベント、ゆるキャラ、B級グルメ、野外フェス、アート…。本質的な解決にはおそらくならないであろう町おこしや集落再生。それぞれの町の味や、時間の蓄積。このままではダメなのだろうか。と思ってしまう自分がいる。
目的が腰味で、「ほかがやってるからうちもやる」という考えなのであれば、やめた方がいいと私は思う。一人ひとりが生きることのできる町。そんな町があってもいいのではなかろうか?
※こちらの記事は、2017年9月末発行の『BonNo』vol.74に掲載されたものです。
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執筆者プロフィール
加藤麻美(Rootive 代表)
森と生きるために木を利用し、地球に暮らす人に安心と癒しを提供する『Rootive(ルーティヴ)』代表。里山の保全活動や里山の資源を使ったイベント運営など、多彩な活動を展開。自然が大好きで、特に山をこよなく愛している。
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