身につくまで〈今月のエクササイズ:腹式呼吸式腹筋〉|田嶋弘和のBC本気塾 #17
さまざまなスポーツ選手のコンディショニング指導、アドバイスを行うスポーツトレーナー、田嶋先生による熱のこもった〈スポーツ論〉を連載する【BC本気塾】。スポーツの技術的な理論はもちろん、その心構えや姿勢からは、スポーツに限らず日常生活にも学ぶことが多く隠されています。
選手たちのトレーニングを見ていると、少しずつ身についてきてはいるものの、その日によってできたりできなかったりすることがあります。選手本人たちも、なかなか身につかないと、もどかしい思いになったりするものです。
しかし、なかなか身につかず成長が遅いとはいえ、成長が後退したり、止まったりしているわけではありません。身につくスピードは遅いかもしれませんが、着実に身についていて、一歩ずつではありますが前進しているはずです。
教える立場としては、成長が遅いよりもむしろ、早く成長しすぎる弊害の方を危惧することがあります。
技術を早く身につけられる人は、油断して練習を怠けがちになったり、身に付けたことをすぐに忘れてしまったりする傾向があるのです。
学生時代、一夜漬けで覚えたテスト勉強をあっという間に忘れてしまった経験がある人も多いはず。スポーツなど技術の習得にも、それと同じことが言えるのです。
復習や反復練習をしっかり行い、時間をかけてじっくり身に付けたことはなかなか忘れません。
苦労をしている分だけ、しっかり身につくのでしょう。
習得のスピードにとらわれず「身についているかどうか」に目を向けてください。
焦らず慌てずじっくり、身につくまで反復することが大切なのです。
今日のエクササイズ:腹式呼吸式腹筋
今月は、上半身と下半身をつなげるために意識させている腹式呼吸式の腹筋を紹介します。
姿勢の改善、ぽっこりお腹の改善にも効果的です。
1.両手を軽く広げリラックスし、丹田(おへその握り拳ひとつ分下)を意識して腹式呼吸を行う。
2.腹式呼吸を行いながら、丹田に向かって息を吐き切るイメージで上体を起こす。
◯心と身体を鍛える【BC本気塾】
執筆者プロフィール
田嶋弘和
日本古来の身体文化を伝承するなかで、日本人にしかできない身体の合理的な使い方の実践を通じて心と身体の調和、心身の健全な発達を促進し、競技力向上、障害予防を考慮し、スポーツ選手を支える『SCC北陸』代表。プロ野球選手をはじめ、子供から社会人にまで様々なスポーツ選手のコンディショニング指導、アドバイスを行なっている。金沢学院大学硬式野球部専属トレーナーも務める。
SCC北陸
ストレングス&コンディショニングクラブ
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