【NATURAL LIFE】すべては今に集約されている #28
地中で植物の根が絡まり合い共存するするように、自然と人も絡まりあい共存していくためには。里山の保全活動を行うナチュラリストの目線で見た、自然にまつわるコラムです。
コロナで祖父のお見舞いは病院の外からで窓越しというお見舞いを経験した。会って触れることもできずに窓越しの再開。 祖父は89歳。あと何回会えるのかわからないのに同じ空間にいることはできない。
仕方のないことなのだけど、なんだか寂しい気持ちで病院をあとにした7月の始まり。
巨樹との出会い
祖父のお見舞いの帰り、久しぶりの能登だったので帰りは珠洲経由の輪島から金沢戻りでぐるっと遠回りして帰ることにした。
海が綺麗なんだよな。
能登で生まれ育った私は知らない場所はないと勝手に思っていたけど、通ったルートは初めての道だった。
なんだか異空間な雰囲気がある不思議な道路だったように思う。
何かフッと感じるものがあって後ろを振り返ったら、ものすごい存在感の木がそこにあった。
遠目で「何あれ?ラピュタの木みたい!」となり、車をそこまで走らせてみた。
到着するとそこは新宮神社という場所だった。
ラピュタっぽい。
なんともいえない威圧感があった。
枝がすごい。
圧倒的な存在感というか…、表現するのが難しいんだけど言葉にするなら「威圧感」が適しているかな。言葉での表現に限界があるから一度見て欲しいっ!と伝えたい!こんな枝がすごい杉は見たことがない。本当に杉!? と思いながら説明文を見ると、やはり杉と記載がある。
ご神木の説明。
樹齢500年以上か、500年の間ここに鎮座しているんだな。でも始まりはこんな状態ではなくひとつの芽だったのだろうと想いを馳せながら。
今の姿が過去であり、今の積み重ねが未来である。よって今にすべてが集約されているなと感じた巨樹であった。
これはすべてに通じている。
生きとしいけるものすべて。
太陽と月
この時期、夕日や月が綺麗だとしみじみ思う。
夕日の赤。
夕日のグラデーション。
車を停めて夕日の写真を撮っている人を見ると勝手に「わかる、撮りたいよね。綺麗だよね」ってなる。
私だけでしょうか?なぜなのか合掌したくなる気持ちになる。ありがたい。
綺麗なものを綺麗だと思えることが嬉しい。
空は常に変化をしていく、だから今見えるものを留めたくなるんだろうな。
寝室からの景色。
寝室の窓は外が見えるようにしている。その方が目が覚めたときに外の景色が見えるし嬉しくなるから。
月夜の晩は特に嬉しい。なんだか見守られているようなそんな気持ちになる。
あたりまえにある太陽と月。ないと我々は存在すらできない。だから自然と合掌したくなるのかもしれない。
くるぞ!夏!
空が夏っぽくなってきた。
夏感半端ない、まだ梅雨だけど。
と、同時に口にするものも夏感がでてきた。
大体甘いシソドリンクが多いけど私は無糖派。さわやか極まりない。
これを飲みだすといよいよ暑くなるなぁ〜と季節を感じる。
金間屋のどじょう。
1本130 円のどじょうのかば焼き。10本くらいひとりで食べられると思う。これを食べながらキンッと冷えたハイボールがあったら幸せ。
湯涌の氷室饅頭。
7月1日は湯涌の氷室饅頭を食べた。無病息災を願って食べる金沢の習慣。なんかいいなと思う。
こうして気持ちを夏にシフトしていき夏を迎える準備をしている。
今を楽しみながら、やるべきことをしっかりやりながら今をしっかりと積み上げていきたいと思う7月の出会い。
では次は本当の夏に。
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執筆者プロフィール
加藤麻美(Rootive 代表)
森と生きるために木を利用し、地球に暮らす人に安心と癒しを提供する『Rootive(ルーティヴ)』代表。里山の保全活動や里山の資源を使ったイベント運営など、多彩な活動を展開。自然が大好きで、特に山をこよなく愛している。
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