運動と疲労〈今月のエクササイズ:梨状筋ストレッチ①〉|田嶋弘和のBC本気塾 #01
スポーツをしている人なら誰しも、激しい運動の疲労感によって競技パフォーマンスが低下したという経験をしたことがあると思います。
ある程度の運動をすれば、身体が疲労するのは当然です。
その後の十分な休養と栄養補給によって、パフォーマンスは回復します。
しかし運動の強度や頻度、時間が過多になると、身体のバランスが崩れ、パフォーマンスは低下していきます。競技能力を高い状態で保つためには、これらのバランスには日頃から十分に注意し、疲労の蓄積によるパフォーマンスの低下を防がなくてはなりません。
そのために私たちは、疲労に対する注意力を高めるよう、選手たちに指導しています。
練習内容と休養のバランスを見ながら、選手の食事を調整したり指導することもあります。その際は、栄養面に関して食事方法の説明をする必要があるので、指導者としての能力が問われることになります。
一方、スポーツ疲労の特殊な原因として「選手たちは疲労を訴えることに抵抗感がある」ということを忘れてはなりません。
特に中高生の部活動では、レギュラー争い、ポジション争いがあることが多く、限界が来るまで指導者に疲労感を訴えることができないケースが多く見られます。それに気づかない指導者が、疲労を溜め込んでいるメンバーを選出し、極度の疲れによって十分なパフォーマンスが発揮できなかったり、最悪の場合は怪我を引き起こしてしまうという結果になってしまうのです。
疲労は運動した結果として当然のことです。
大切なのは、疲労を蓄積させないことであり、その原因を把握して対処することにあります。
今日のエクササイズ
梨状筋(りじょうきん)ストレッチ
梨状筋とは、脊椎の下部にある仙骨(大きな三角形の骨)の前面から、大腿骨に伸びる筋肉。股関節の回旋を担っています。
疲労が残りやすく、臀部や腰の痛みなどが出やすい部分なので、疲労除去と腰痛予防のために、梨状筋のエクササイズは欠かせません。
使いすぎた筋肉をほぐすことにより、痛みやしびれが改善しパフォーマンスが向上するだけでなく、腰痛やヘルニアの予防にも効果的です。
●HOW TO 梨状筋ストレッチ
①伸ばしたい方の足を反対側の足に交差させる。
②手で伸ばしたい足の膝を抱え、お尻の筋肉が伸びていることを感じながらストレッチ。
◯心と身体を鍛える【BC本気塾】
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執筆者プロフィール
田嶋弘和
日本古来の身体文化を伝承するなかで、日本人にしかできない身体の合理的な使い方の実践を通じて心と身体の調和、心身の健全な発達を促進し、競技力向上、障害予防を考慮し、スポーツ選手を支える『SCC北陸』代表。プロ野球選手をはじめ、子供から社会人にまで様々なスポーツ選手のコンディショニング指導、アドバイスを行なっている。金沢学院大学硬式野球部専属トレーナーも務める。
SCC北陸
ストレングス&コンディショニングクラブ
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