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【NATURAL LIFE】ひと昔前にオモイを馳せる #16
地中で植物の根が絡まり合い共存するするように、自然と人も絡まりあい共存していくためには。里山の保全活動を行うナチュラリストの目線で見た、自然にまつわるコラムです。
雨が続き、グレイな空が広がる。あ、北陸だな。とつくづく思う7月の始まり。
7月の山
この時期山へ行くと、ねむの花がそこらじゅうに咲いている。 夕方になると花が閉じるのが寝ているように見えることから「ねむの木」といわれている。よくよく見ると繊細な花に見える。
ねむの木
花が繊細、調べると雄しべのようだ。
ねむの木といえば、私の高祖母(ばあちゃんのばあちゃん)が昔はねむの木で頭を洗っていたという。 ねむの木の葉を煮出してシャンプー代わりにしていたと聞いた。ちょっと試してみたい気持ち。 ということで、さっそく試してみる。
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葉っぱを煮出すらしい。
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エキスが出てきた。豆みたいなにおい。
抽出完了。
煮出し方があっているのかわからないけど、なんとなくこんなもんかな?とさっそく髪の毛を洗ってみる。 泡立ちなどは一切なし。豆の香りのトリートメントっていう気分。 案外とゴワゴワ、キシキシせず心なしかしっとりするような感じ(?)
昔は野山のものが衣食住とかなり密接していたのだなと、豆の香りの汁を髪の毛につけながら思いふける。 他にも何か試してみたい気持ち。
台所
さて、3年に1回だけする梅仕事。 夫が弁当には梅干しを入れてくれというもんだから、そろそろ3年前の梅干しが底尽きる。 今年は10kg梅干しをつくる。
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梅の芳醇な香りが台所をうめつくす。
私にとっての梅仕事は、祖母と過ごした時を想い出す作業でもある。 毎年祖母と家の梅の実を採っていた。大量の梅をほぼ梅干しにし、たまに梅酒をつくっていた。 梅の香りは祖母を想うのである。 祖母が亡くってからも祖母の梅干しは何年と先まで残っていたが、祖母が亡くなってもう13年。 さすがに祖母の梅干しも在庫0に。それから、自分で梅干しを漬けるようになった。
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梅酢があがってきた、今年は茗荷と生姜も漬ける予定。
古いモノ
仕事で必要な古材探しで知り合いの製材所へいく。
さすが能登。アテの材料が豊富。やっぱりいいもの発見。
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なんかないかなー。
お宝探しのようでわくわくしてる。
古いモノついでに親戚の家にも寄り、昔のものを処分したいと相談を受ける。
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元銭湯の家、素敵な廊下。よくこの銭湯にはいったな。
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昔の机、素敵なんですけど。
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こんな雰囲気の家って今ないですよね。
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電気の配線、かっこいい。
大事に丁寧に暮らしていた痕跡が残っている。昔の道具もとてもきれいで今でも使える。
使えるものは使っていきたい。
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昔の衣装ケース、とっても綺麗。プラスチックのより見た目も良い。
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中もしっかりしてる。
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積んでみた。
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お茶ケース。
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中はアルミ?になっている。
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昔のちりとり、なんかかわいい。
やっぱり、長年の時を経過したものってどんな空間にも馴染む。時間の流れすらデザインに組み込まれている。 親戚が愛用し、大事にとっておいたものたち。 古道具という名の愛情のバトンを受け渡された気持ちでいる。私もこの愛情のバトンを次の世代に渡せたらいいな。 と、そんな風に思うのであった。
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執筆者プロフィール
加藤麻美(Rootive 代表)
森と生きるために木を利用し、地球に暮らす人に安心と癒しを提供する『Rootive(ルーティヴ)』代表。里山の保全活動や里山の資源を使ったイベント運営など、多彩な活動を展開。自然が大好きで、特に山をこよなく愛している。
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