逆境のときこそ〈今月のエクササイズ:梨状筋ストレッチ③〉|田嶋弘和のBC本気塾 #12
さまざまなスポーツ選手のコンディショニング指導、アドバイスを行うスポーツトレーナー、田嶋先生による熱のこもった〈スポーツ論〉を連載する【BC本気塾】。スポーツの技術的な理論はもちろん、その心構えや姿勢からは、スポーツに限らず日常生活にも学ぶことが多く隠されています。
大切な試合の前に選手の皆さんにお伝えすることは「取り組んできたことの真価が問われる」ということです。
それまで、素直に正直に、自分の思いを貫いて、しっかり取り組んできた人は、力むことなく地に足をつけどっしり構え、揺らぐことなく冷静に判断できると思います。強さに光を当て飲み込み、自らの心の弱さを消し、不動の強さで、どんな場面でも冷静になって心を引き締めて挑むことです。
反対に、大切な場面であたふたしてしまうということは、学んできたこと、取り組んできたことがしっかりと理解できていない証です。理解しているつもり、分かっているつもり…「つもり」になっていたのではないでしょうか。
普段の練習から自信を持って、自分を信じて全力で取り組んでいれば、大切な場面でも野球を楽しめます。普段できていない人が大切な試合で力を発揮して楽しめるわけがありません。そんな都合の良い話はないのです。
逆境に立たされたときこそ落ち着くことが大切。逆境に立たされているときこそ、本当の真価が問われるときなのです。
相手に合わせて飲み込まれるのではなく、こちらの間合いに引き込み、相手を飲み込んでしまえばいいのです。自分の内側に入って、内なるエネルギーで外的エネルギーを飲み込むようなイメージを持ちましょう。「姿勢を正し、呼吸を整え、心を静め、重心を下げ、謙虚な立ち振る舞い」をすることで、揺るぎないしっかりとした軸が、自分自身を安心へと導いてくれるのです。
今日のエクササイズ
梨状筋のストレッチ part3
〈梨状筋ストレッチpart2〉はこちら
梨状筋(りじょうきん)ストレッチ
梨状筋とは、脊椎の下部にある仙骨(大きな三角形の骨)の前面から、大腿骨に伸びる筋肉。股関節の回旋を担っています。
1.片足を曲げて膝を立て、反対の足を膝の上にのせます。そして梨状筋が伸びるのをイメージして足を体に引きつけコントロール。
2.腹式呼吸で行うと効果的。反対側も同じように伸ばしてください。
◯心と身体を鍛える【BC本気塾】
執筆者プロフィール
田嶋弘和
日本古来の身体文化を伝承するなかで、日本人にしかできない身体の合理的な使い方の実践を通じて心と身体の調和、心身の健全な発達を促進し、競技力向上、障害予防を考慮し、スポーツ選手を支える『SCC北陸』代表。プロ野球選手をはじめ、子供から社会人にまで様々なスポーツ選手のコンディショニング指導、アドバイスを行なっている。金沢学院大学硬式野球部専属トレーナーも務める。
SCC北陸
ストレングス&コンディショニングクラブ
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