Kan Sanoの音楽的ライフ【観ずる日々】第12回：買い物

今唯一の趣味と言えるのがレコード収集だ。「1000円以下のものしか買わない」「ネットは使わない」というルールを決め、レコードショップやリサイクルショップを手間と時間をかけながら探すそのプロセスも含めて楽しんでいる。苦労して手に入れた方が感動を味わえるし、純粋に趣味のままでいられる気がする。

買い物をする時、支払ったお金が誰に渡りどのような経済的影響を与えているのか、なるべく考えるようにしている。CDをAmazonで買うか、ライブ会場の物販で買うか、タワレコで買うか、同じ値段でも買い方によってお金のまわり方が変わる。

僕は生産者から直接購入するようなシンプルなお金の流れが一番好きだ。近所に農家の友人が住んでいるので、月に何度か野菜を貰いに会いに行く。スーパーで食品を買う場合は日本の農産業を応援したいからなるべく国内産を選び、地元産があればそちらを優先する。

20代の頃は生活に余裕がなかったから、支払ったお金の行き先について考える心の余裕もなかった。大金はなくてもいいが、他者のために考える余裕を持てるくらいにはあった方がいい。

「人生に必要なのは勇気と想像力と少しのお金だ。」チャップリンの偉大な言葉について生前の祖父がよく語っていたのを思い出す。